第2章 弐.尊い命
俺だって気付いてねぇわけじゃなかった。
常に頭の中はが片隅にいやがるし、誰かと一緒にいてもあいつのことしか見えてねぇ。
今みたいに美味いもんとか、例えば綺麗なもんとか見ると、今度一緒に…って思ってしまう。
ただそばにいれればそれでいいと思ってた。
これでもし死んでたらと考えるとゾッとする。
ありがとう煉獄、命を張って守ってくれて。
「いつから好きだったんだろうなァ俺」
「いや一目惚れだろ貴様。
初めて会った時固まってたのを俺は一生忘れない」
「一生忘れないはやめろ」
「えーそうだったんですか不死川さん!
好きなのは分かってたけど一目惚れだったんですね」
「俺がくっついた時の殺意はおもろい」
「オイてめェらここぞとばかりにおちょくんなァ」
「うふっ、顔が真っ赤だわ」
そこへ胡蝶妹が部屋に入ってくる。
そろそろ冨岡や時透がくる頃か……。
「皆さん病人囲んでお食事会ですか?
……あら?さん…」
「なんだどうしたァ?なんかあったか?」
「いつから起きていらしたんですか?」
「……んふっ」
「……あ?」
伊黒、宇髄、甘露寺と思わずポカーンとした顔で顔を見合わせ、の顔を覗き込む。
目を閉じたまま笑ってやがる……。
「起きたけど、起きづらい話をしてたからつい…ふふ」
「どんな話だったのか気になりますね」
さっきの話を全部聞いてやがったのかこいつ……!
カァァッと顔に熱が集中する。
それを見て三人はプルプルと笑いをこらえて震えてやがる。
「助けてくれてありがとうございます。
実弥さんにしのぶちゃんのおかげで生き返れました」
「もうあれから7日たったんですよ?」
「え!?すごっ!」
「寝すぎだァ」
「はい、ごめんなさい」
よかったわぁ!と涙目になりながら喜ぶ甘露寺。
こいつは絶対パンケーキのおかげと思ってるな。
「まぁ、余計なことを聞いたようだがとりあえずよかったな。
安心した。あとは煉獄だけだな」
「元気になったら派手に遊びに連れてってやるよ!
今は甘えて楽させてもらえな」
「蜜璃ちゃん、小芭内、宇髄さん、ご心配おかけしました」
「俺らだけじゃねぇぞー?」
あの冨岡ですらちょくちょく来てたからなァ…。