第2章 弐.尊い命
あまね様が退室され、シーンと静まる室内。
胡蝶姉はクソガキ共の様子を見ると言って退室したまま、寝ている二人と胡蝶妹だけが残されている。
「竈門炭治郎たちは動けんのかァ?」
「ええ、怪我はしていますがそんなに大きくはないです。
煉獄さんとさんが三人を庇って戦ってくれたそうで」
「せめてもの救いだなァ…」
「話を聞きに行きますか?」
「あーそうだな」
胡蝶に二人の様子を見ていてもらい、三人のいる大部屋へと顔を出す。
明るく挨拶をしてくる竈門炭治郎。
顔だけを見て異様にビビる…こいつが我妻善逸か。
あ、猪頭の嘴平伊之助。
俺の顔より猪頭のが怖ェだろ普通。
「よォ…無事でよかったなァ」
「あの、お二方は?」
「気にすんな。急で悪ィが話を聞かせてくれ」
ポツリ、ポツリと出来事を話す竈門。
こいつら三人は下弦の壱との戦いで体力を消耗し、動けなくなったところで外に出ると上弦の参が現れたと。
まず上弦の参が狙いに行ったのが竈門炭治郎。
それを煉獄が阻止し、が我妻と猪頭に肩を貸し安全な場所へ避難させた後動けなくなっている我妻を狙いにきたそうだ。
「俺をふわぁっと包み込んで避けた時には思わず惚れそうになっちゃった…」
「余計なこと言うなら殺す」
「ヒィィィィ沸点低すぎない!?!?」
それを煉獄が理解出来ないと言うと、弱い者が邪魔だから殺すと上弦の参は言ったそうだ。
そこから煉獄とで上弦の参を押していたが、技をくらい防ぎ切れなかった煉獄が怪我を。
玖の型で仕留めようとする煉獄と上弦の参の間にが割って入り、二人の技に巻き込まれながらトドメを刺そうとする上弦の参の腕を切り落としたそうだ。
その隙に煉獄が上弦の参を掴み、がそれを見て頸を切ろうとしたが再生した腕で自らの腕を切り落とし逃亡したということだった。
「あいつ、めちゃくちゃ鬼になれって煉獄さんに言ってた。
あと誰のことか分からないけど、見つけたって最初に言ってたような気がするし…最後には迎えに来るって煉獄さんとさんに言ってた」
「そうしたらぶち殺すまでだ」
話はよく分かった。
鬼舞辻無惨の狙いはよく分からねぇが、恐らく妹の禰豆子に何か鬼としての可能性を見出したんだろう。