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八重歯と稀血

第1章 壱.一目見たその時から





それから何日もお互い任務や鍛錬ですれ違い会えない日々が続いていた。

毎日のように会えていたのに急に何日も会えなくなるとさすがに堪えた。
……何がだ?
いや、毎日顔みてたやつが急に会わなくなると寂しいもんだろォ。

そんな思いから気付けばの屋敷へと来てしまっていた。


「風柱様…!様に何か用が!?」

「あ、まァ…いるか?」

「本日は蝶屋敷に行くと今朝向かわれたところです」

「そうかァ…、ありがとな」

「え!あ!はい!お疲れ様です!」


ここの隠たちはやけにホワホワ浮ついてやがるな。
どうせのことだから甘やかしたんだろうが……。

蝶屋敷へ辿り着くと珍しく胡蝶姉が出迎えてくれる。


「よォ、元気だったか」

「ええ。最近炭治郎くんと禰豆子ちゃんの二人を見ているのがとても微笑ましくて」

「あーあのクソガキ共かァ」

「話は聞きましたよ? 弱い者いじめは褒められたものじゃありませんよ」

「へぇへぇ。それよりが来てるって聞いたが?」

「ちゃんなら今禰豆子ちゃんと一緒ですよ。
案内しますか?」


あーあいつと一緒か……。変な組み合わせだな。
の用が終わるまで外で待つからいいと胡蝶に告げると、世間話でも、と縁側へ連れていかれ隠がお茶をもってくる。

鬼と人が仲良く出来るように…なんて馬鹿げたことを言っていたこいつだが、それを自分の目で見れたことが嬉しくてたまらないようだ。

あんな鬼嫌いのですら、あの鬼と一緒にいんだもんなァ。
は何を考えてやがる?


「ちゃんは、禰豆子ちゃんを理解しようとしてますよ。
炭治郎くんの心の傷に寄り添っていたし」

「……へェ。そんなお節介な部分もあったんだなァ」

「わたしをなんだと思ってるんですか?」

「あ、来たのか」

「はぁぁぁぁいさぁん捕まえたァァァ!!!!
あーーん柔らかい〜いい匂い〜〜幸せだなぁぁんん」


黄色いやつがの後ろから突進するように抱きつく。
機能回復訓練でも付き合ってたのか?

にしても何あいつスリスリしてんだよ気色悪ィやつだな。



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