第1章 壱.一目見たその時から
「お館様、わたしを呼んだのも竈門炭治郎の事ででしょうか?」
「うん、そうだよ。
今から柱合会議をしようと思うけど…せっかくだからも一緒にどうだい?」
「……失礼ですが、わたしは……、
その、竈門炭治郎に聞きたいこともあるので一緒に蝶屋敷へ行きたいのですが」
「…分かった。もし何か分かったことがあったら教えてくれると嬉しい」
「はいお館様。では失礼致します」
そう会話をして去っていく。
なんだ、今の会話は。
思わず伊黒を見ると、伊黒もこちらを見た。
こいつも分かってない。
煉獄は…分かってねェな。
「では、柱合会議を始めよう」
まるで何事もなかったかのように進められていく話。
現時点での一般人への被害状況。
隊士の質…竈門炭治郎の希望の話。
クソ気に食わねェが…まァ他の隊士よりはよっぽどマシだろうな。
「昨日かな? 杏寿郎はとまた稽古をしていたようだね」
「むぅ!お館様ご存知だったとは…!」
「も君たちと肩を並べてとても優秀だ。
杏寿郎はもちろん、小芭内と実弥も実戦こそ見ていないがその実力は知っているね」
「わたし煉獄さんと稽古してるとこ見ましたぁ!
もうすっごかったです!キラキラードーン!ガターン!って!」
「あの者の凄いところは普段全く覇気を感じないところだ…。
華奢であることも相まってまるで戦えるようには見えない…」
戦っているところを見たことのない悲鳴嶼さん、胡蝶、冨岡、……時透はどうかわかんねぇが、実力にもともと興味があったようだ。
の話題になると何故か誇らしげになる煉獄ちょっと腹立つ。
俺の見込んだ女みてェな言い方する宇髄にもっと腹立つ。
最後はほぼ雑談になってきたので、柱合会議は終わり部屋を退室した。
昼間の会話も少し気になるが…伊黒は甘露寺とキャッキャウフフだから後でいいか……。
今から蝶屋敷に行くのも驚かせるだろうからまた明日会ったら聞くか。
そう思い、一人屋敷へ帰り眠りについた。