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八重歯と稀血

第1章 壱.一目見たその時から





「カァーーカァーー
柱合会議ー!日ガ昇リー、支度ノ出来タ者カラ産屋敷へ!
コレハモ参加スルヨウ!」

「え、わたしも?」

「ソウダ!冨岡義勇、下弦ノ陸二勝利!
ヨッテ、待機命令ハ解除!」

「勝ったけど……なんかあったのかしら?」

「いくら夜型とは言え地味に夜も更けたな。ここら辺で解散するか」

「甘露寺、気をつけて帰れよ」

「では皆明日また会おう!」


それぞれ手を振り解散していく中、が一人俺の側で残っていた。
先程の事を思い出し思わず小っ恥ずかしくなるので早くどっか行ってほしい。


「実弥さん、改めてありがとうございます。
おかげでなんとなく後ろめたかった気持ちがなくなりました」

「あァもういいから行け。気をつけろよォ」

「じゃあまた明日」


別に後ろめたさを感じる必要もねぇのに。
お前はただの被害者だ。お前が悪ィわけじゃねぇ。

そう出かけた言葉をぐっと飲み込んで、見送った。

まだ俺が幸せに生きてたあの頃から、鬼に苦しめられてきたってことか。
その鬼はもう死んだんだろうか?誰がやったんだろうか?
出来れば俺が殺してやりたかったなァ。

ああでも同い年だからどう足掻いても無理か。

……当時の炎柱か。
そのまま拾われたとしたら、辻褄が合う。

そうか、刀のあの紅の部分は、炎の呼吸が影響してるのか。

少し知れたのことを思い、心が弾んだ。
段々分かってきたぞォ…!


「不死川様、お帰りなさいませ」

「あァご苦労さん」

「何かいい事でも?」

「あ?別に?なんだよ?」

「い、いえ…?」


物珍しげにこちらを見てくる隠。
いつもならキレるが今日はもはやどうでもいい。

のピースが一つ一つハマっていくのが嬉しかった。


ーー…不死川さん、本当にさんのこと好きですね


胡蝶の言葉がふとこだました。

あ?
いや別にずっと謎だった事が解けてったら嬉しいだろォが。

そこから思い出されるの一つ一つの表情、仕草、声……

……なんだよ、なんで勝手に頭の中で流れやがる。
いや、あいつと出会ってからはずっとこうだったな。
だからなんの不思議でもないことだ。

まてそしたら俺が出会った頃からずっと……?
いや、あいつが不思議だったからだ。深い意味はねェ。




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