第1章 花信風 滝澤 /平子
保健室で目覚めた時、
「…先輩、?ん、すみません…」
夕暮れ、ベッドの横に座り先輩は教科書を読んでいた。
私に気付くと目のところにかかった髪をさらっと払ってくれた。
「、血が苦手なのか?」
心配そうな表情で聞かれた。
「…はい…、その、トラウマで…ほんとダメですよね…」
「…ダメではないよ、危ないけどさ」
否定的な言葉がくるものだと思っていた。
「でも喰種と戦うのに血が苦手なんて…」
「お前は心から喰種捜査官になりたいの?」
「…なりたい、です。私と同じような人が増えないように…って思って…」
「そっか、でもさ戦う事が全てじゃねーからさ、実際に戦う事も大事だけど作戦練って戦略をたてるのも大事な事だとは思わない?」
「…大事だと思います、、、」
「ふ、じゃあそれをお前の強みに出来るように頑張ってみるのはどう?」
そう言ってくれた先輩の言葉で私は変わった。
武術はまだまだだけど、血を見ても倒れる事は無くなったし私はCCGの軍師になるというのを目標に勉強をした。
なので、策略についての試験はいつもほぼ満点だった。
文武両道とはいかないけれど…
私の憧れはその時からずっと滝澤先輩だけだった。