第16章 俺の幸せ
かかしサイド 続き
サスケに改めてちゃんとマユを紹介すると
「マユ、お前はほんとにこいつでいいのか?」
と真面目な顔してマユに言うもんだから、さくらも、ナルトも大笑いだった。
サスケ…久々のわりには大分失礼でしょ、ほんと。
マユもマユで
「サスケくん、私はね、かかしじゃなきゃダメなんだ」
なんて真面目に答えちゃうから、サスケはそのまっすぐな愛情表現に顔を赤らめてたっけ…。
ちなみに俺も(笑)
「その、かかしじゃないとダメとは、その…いったいどういう…」
なんて、サスケもサスケで聞いちゃうから
「サスケくん、今すぐお茶しにいこ!私が恋愛感情とか、愛情の意味とかいろいろ教えてあげるから!」
って、唖然とする俺たちをよそに、逃げるサスケを糸で引っ張って行ってしまった。
きっと、今まで復讐と戦いに明け暮れていたサスケにとって、様々な形の愛情とはまだ未知のものなんだろう。
あいつも、時間はかかってもサクラのまっすぐな愛情に、ちゃんと向き合えるといいなぁって思った。
そして、少しだけさくらからの愛情の深さに気づいたサスケは、旅に出る見送りの時さくらに対して少し態度が変わっていた。
短期間でこうも簡単にサスケにさとすことができたマユを、ちょっと尊敬した。