第15章 結末
かかしサイド 続き
ボロボロになった体を、そっと抱きしめて
彼女の呼吸と体温を感じる___
「マユ…ごめんね…1人にさせて…」
どんな状況であれ
彼女をここまで追い詰めた自分自身の死にすら
罪の意識を感じた
そっと静かにキスを落とすと血の味がする
でも彼女は___
こうして俺の腕の中で生きている
「っ…生きててくれて、ありがとう…」
そう言ってもう一度、キスを落とす
ゆっくりと開かれるその眼には俺が映し出された
「マユ…わかるか?」
「……か、かし…?…」
「あぁ…俺もお前も、生きてるよ…」
そういうと、一気に彼女の眼に涙がたまり瞳をユラユラとゆがませる。
「…ほんとに…?これ、夢、じゃない…?」
そういう彼女にまたキスをする。
「だって…かかし、暖かかったのに、もう、何も、反応なくて、目、開けて、くれなくて、手も、握って、くれなくて」
必死に話す彼女は、その場面を思い出しているのだろう
いくつもの涙が目じりをつたって零れ落ちる
「もう黙って俺だけを感じて?いい子だから」
彼女がこれを夢だというのなら、何度でもキスをしよう
いくらでも手を握り返そう
俺を何度でもその眼にうつして
あきるまで俺とお前が生きていることを実感させてあげる
それが
仮にでも一度マユを置いて逝った俺からの
今できる償いだ
何度目かのキスで、マユはようやく笑って言ってくれた
「かかし、愛してる…」
そして安心したのか、穏やかな顔で眠りについた
俺は、もう一度傍についていてくれた仲間たちにマユをたくし、ナルトを迎えにいった。