• テキストサイズ


第15章 結末


かかしサイド 続き

ボロボロになった体を、そっと抱きしめて
彼女の呼吸と体温を感じる___


「マユ…ごめんね…1人にさせて…」



どんな状況であれ
彼女をここまで追い詰めた自分自身の死にすら
罪の意識を感じた


そっと静かにキスを落とすと血の味がする
でも彼女は___
こうして俺の腕の中で生きている

「っ…生きててくれて、ありがとう…」

そう言ってもう一度、キスを落とす



ゆっくりと開かれるその眼には俺が映し出された

「マユ…わかるか?」




「……か、かし…?…」

「あぁ…俺もお前も、生きてるよ…」

そういうと、一気に彼女の眼に涙がたまり瞳をユラユラとゆがませる。


「…ほんとに…?これ、夢、じゃない…?」


そういう彼女にまたキスをする。


「だって…かかし、暖かかったのに、もう、何も、反応なくて、目、開けて、くれなくて、手も、握って、くれなくて」

必死に話す彼女は、その場面を思い出しているのだろう
いくつもの涙が目じりをつたって零れ落ちる


「もう黙って俺だけを感じて?いい子だから」


彼女がこれを夢だというのなら、何度でもキスをしよう
いくらでも手を握り返そう

俺を何度でもその眼にうつして
あきるまで俺とお前が生きていることを実感させてあげる

それが
仮にでも一度マユを置いて逝った俺からの
今できる償いだ



何度目かのキスで、マユはようやく笑って言ってくれた

「かかし、愛してる…」

そして安心したのか、穏やかな顔で眠りについた



俺は、もう一度傍についていてくれた仲間たちにマユをたくし、ナルトを迎えにいった。



/ 96ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp