第14章 死よりも重い痛み
瞬身で飛ぶ前に感じたあのかかしのチャクラは
名前を呼んだ私への最後の返事
力なく彼に近寄り、ガラガラと瓦礫をよけて、その埋まっている体を出していく。
手が震えてうまく瓦礫をよけれない。
動け
動け!
うごけ!!
自分の頼りない体に何度も命令し、必死で掘り返す。
傷だらけになった体を抱きかかえ、ゆっくりとなでおろした。
胸の中にいるのは紛れもなく私の生きがいだった人。
大好きだったその手を握るけど
その手はもうダラリと力なく、握り返してくれない。
血の味がするその唇は、まだ、ほんのりとあったかい。
いつもなら、笑って2回目のキスをしてくれるのに。
その口はもう2度と私の名前を呼ぶことはなく
その眼も私をうつすことはない。
ごめん…ごめんね、かかし
最後そばにいてあげられなくて
守ってあげれなくて、ごめんね
ブツリと何かが自分の中できれ
目の前は真っ暗な闇となった_________