第2章 己の運命
かかしサイド 続き
「で、俺に頼みたいこととは?」
「うむ。生き残りがいるとは昔聞いていたが、特にそいつがどこかで何か危ないことをやってきたという話はこれまで一切ない。そいつが木の葉に対して危害を加えないのなら我々は、拘束する気も、そいつの力を利用することにも興味はない。
ただ、お前が前に接触しているのも何かの縁かと思ってね。今後、血継限界のものが居場所なく、変な奴につかまって利用されること思ったら、そいつの帰る場所を与えてやってもいいのではないかと思ってな。
ま、それは本人の意志にもよるのだろうが…」
確かに…俺は血継限界、氷遁のハクを思い出した。
ハクも同じように幼少期辛い目にあい、そこでであった再不斬に拾われたのだ。
彼は道具だとしても、必要とされる居場所を、帰る場所を与えてくれた人についていったのだ。
結果的に再不斬はハクを道具としてみていたわけではなく、2人の間には2人ならではの絆が生まれていたわけだが、仮に彼女が妙な奴につかまって利用されることを考えたら、この木の葉が帰る場所になるのも悪くないと思えた。
「そうですね。それに関して俺も綱手様と同じ意見です。
家が変わっていなければ、覚えていますので明日接触を試みてみます。ただ、やはり相手の気持ちもあるので時間はかかるかと。」
「あぁ。とりあえず無理はするな。
女といえども血継限界の持ち主。はっきりこの目で見たことはないが、強力な力であることには間違いない。」
「わかりました。」
こうして俺は、任務として彼女ともう一度接触することになった。