第14章 死よりも重い痛み
すぐに瓦礫が崩れるような音とともに、悲鳴があちこちで聞こえだす。
暁_____
そう思い立った途端、演習場の地をいっきに蹴って里内へと走った。
しっかりしなきゃ。
忍術が使えなくても、できることはある!
そう自分に何度も思いきかせ、ひたすら走る。
遠目に見えるのは荒々しく動く大きな口寄せ獣。
あちこちでガラガラと家や、建物が崩れ、それに伴いあちこちで木霊する里内の人の悲鳴。
近くにいる他の忍び達と、瓦礫に埋まる人、ケガをする人を助け、非難に困っている人達をとにかく安全な場所へと誘導する。
一心不乱にやっていると、サッと目の前に降り立つ影。
「マユ!大丈夫か!?」
「かかし!わたしは大丈夫!今できることをやるから、心配いらないよ!」
「わかった、俺は別の場所も見てくるから、とりあえず無茶はするな!」
「うん、かかしもね!」
そういうと、彼は笑って瞬身で消えた。
消えた後、自身の心に現れた、ポツンと黒いもの。
何これ…
この気持ち、前も感じたことが…ある…?
新たな人々の叫びにまた、ハッと我に返る。
ぼんやりなんかしてられない。
とりあえず、みんなを非難させないと!