第14章 死よりも重い痛み
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私はだいぶリハビリも進み、体力的な問題だけならば前線復帰ももう少しでできるかというところまで戻ってきた。
だが体のダメージが今回はかなり大きかったためか、一時的にチャクラを練ることができなくなっていた。
体の回復を優先して、今まではチャクラを練ることをあえてやってこなかった。
復帰にむけて本格的にやらないと…
そう思い、演習場にきて精神統一をし、チャクラを練る。
今まで難なくやってきていたことが、突然こうもできなくなると一体どうやって今までやっていたのかと疑問に思う。
正直焦りはつのるばかりだ。
暁の存在…
あれからナルトくんの師匠だった自来也さまが亡くなり、里は更に深刻な状況に陥っているのは間違いない。
「くっ…はぁはぁ…なんで…」
額から零れ落ちる汗をよそに、自分の思い通りにいかないこの身にいら立つ。
あともう少しで前線に立てるのに。
もう何年と体に染みついているはずの事が、なぜかうまくいかない。
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毎日毎日、トレーニングを重ねる______
が、まったくうまくいかない。
「なんでよ!!」
演習場に木霊するはがゆい心の叫び。
あともう少しなのに
昔、なんでこんな血筋に生まれたのか嫌に思うこともあったけど、こうも自分の力を求めたことはこれまでにない。
1人だった自分にはわからなかったこと。
守りたいものが増えたからだ。
だからこそ、当たり前にあったものがなくなると、こうも自分は頼りなく脆い…
握りしめたこぶしが震える。
と、___突然木々がざわざわと揺れだし、不穏な空気を感じ顔を上げる。
なんだろ、これ…嫌な予感がする…
そう思った時、ドンっと大きな気配と地響きが体に走った。