第12章 それぞれの思いと戦い
かかしサイド
ヒルコの術は厄介だった。
マユが一緒に取り込み、酸によるやけどをおっているものの、すでに4人の血継限界を取り込んでいることから攻撃してくる術は強く、また右手の冥遁で術の吸収をしてしまう。
わずかながら、傷による痛みと苦痛に見せる隙を狙って応戦するが、何回も隙があるわけではなく決定打にかける。
くそっ‥長引いている場合じゃないのに。
「もう、お前ら…大人しく、俺に殺されたらどうだ…!」
ヒルコも息を荒げ、やけどをかばいながら左手を持ち上げた。
かかし____
どこかでマユに呼ばれているような気がした。
と同時に
ヒルコが放った冥遁・邪自滅斗(めいとん・じゃっじめんと)がはなたれ、俺は土遁・多重土流壁で自身とナルトをかばった。
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冥遁・邪自滅斗(めいとん・じゃっじめんと):吸穴孔で得たチャクラを水色の炎に変換し、左手の印の部分から放出させ倍返しの形で敵を遠くへ吹き飛ばす。
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多重土流壁にも関わらず、炎と爆風がおさまったときにはそのいくつもの壁もほとんど無惨な状態になっていた。
が、その先にうつったのは_____
ヒルコが真っ赤な糸で拘束されている__!?
「あれは‥!」
「かかし先生、これって!?」
考えている暇なんかない。
「ナルト、援護する!今しかない!」
「わかったってばよ!」
ナルトが新術を整えるわずかな間に、ヒルコがもがき右手の拘束がわずかに緩む。
右手を自由にさせてしまえば冥遁・吸穴孔をまた使われてしまう。
「雷遁・雷獣追牙!!」
電光石火で走りぬける雷遁の狼がヒルコの右手を更に強く拘束した。
「風遁・螺旋手裏剣!!」
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