第12章 それぞれの思いと戦い
さくらサイド
マユさんのもとへ行くと、酸によるやけどがひどく本人の意識はかろうじてつながっている状態だった。
「マユさん、今から治療しますからね」
そう笑顔で言いながらも、心では、かなりひどい…と動揺している自分がいた。
「さくらちゃん…かかしは…?」
「今ナルトと一緒にヒルコと戦ってます。
マユさん、安心して」
「お願いがあるの…
ナルトくんとかかしが見える場所に連れて行って」
「!? 無理ですよ!こんな状態で動くのなんて!」
「お願い、どうしても」
こんな状態で何をいうのか。
何度断っても、この建物内からでて戦闘が見える場所に行きたいだなんて。
「ヒルコには術を吸収する技がある。まともにやりあっても術を吸収されるだけで歯が立たない。その術を出すことを少しでも遅らせれれば…」
そこまで聞くとマユさんがやろうとしていることも察しがついた。
「爆風もひどいし、完全に近づけることはできませんよ」
「それでもいい。
私の術が届く距離まででいいから…お願い」
私は崩れた瓦礫をよけながら、マユさんを支え戦闘が見える場所まで移動した。