第11章 呪印と運命
かかしサイド 続き
次の日予想していた通り、玄関のドアはドンドンと叩かれる。
「かかし先生!いるんだろ!?開けてくれ!」
ナルトの声だ。聞かれることはわかっている。
「ナルト…わかったから…」
そういって玄関を開けると、ナルトとさくらが来ていた。
「先生いったいどういうことだってばよ?!マユのねーちゃん里抜けたって」
「先生、いったい何があったんですか?!火影命令で追うなって変ですよ」
ナルトもさくらもわけがわからないといった様子でせまってきた。
「…そのまんまの意味だよ。マユは里を抜けた。追いかけることも許されない。今里がどんな状況だっていうことはお前たちもわかっているね?」
冷静にそういうが、心はそうではない。
でもそう冷静にふるまうしかないのだ。
「かかし先生!これでいいのかよ!?いったいどうしちまったんだってばよ!マユのねーちゃんはかかし先生の彼女だろ!?こんなの納得いかないってばよ!」
「ナルト…少し落ち着け…。訳を話すから…」
そういってナルトとさくらにヒルコの呪印の事、呪印が俺からマユに移り変わったこと、マユはヒルコを倒すために自ら向かったことを伝えた。
「そんなの…そんなの里のためにたった一人犠牲になるだなんて…俺納得いかないってばよ‥」
そういったナルトの傍でさくらも辛そうに黙っていた。
「お前たち、ヒルコは木の葉の抜け忍だ。
それによって木の葉が今他里から反感をかって戦争の前にいつ攻められてもおかしくない状況だっていうことはわかっているな?警戒態勢もすでに敷かれている。
戦っているのはマユだけじゃない…俺たちもそれぞれの場所でこの里を守らなきゃならないんだよ」
「俺…綱手のばーちゃんに話してくる…」
そういうとナルトは走って行ってしまった。
さくらも俺に一礼だけしてナルトの後を追いかけた。