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第11章 呪印と運命


かかしサイド 続き
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月灯りが里全体を妙に明るく照らし出す夜、俺とマユは静かに時を過ごしていた。

なんとなくお互いにそろそろだろうと自覚があった。

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無言で手を繋ぎ、里の門の前に向かう。

これから起こるであろう運命のために俺たちはこうして別々の道を行かなければならない。
頭ではわかっていても心がついていかない。
それでもそれしか道がないのだ。


「かかし」

俺を見上げるその瞳は、もう覚悟を決めていた。
同じ銀髪がさらさらと心地い風になびき、月明かりに照らされる彼女はとても綺麗だった。

「いってくる」

そう言った彼女は静かに目を閉じた。
俺が最後に感じることになるであろうマユの体温と生きている証。重なる唇から彼女が大好きだよって言ってくれている気がした。

涙をためて、もう一度俺を見て笑ったあと、また静かに目を閉じる。

次に目を開けるときには、この時を待っていたといわんばかりに、呪印によって術にかけられた真っ赤に光る瞳が映しだされた。
もう本人の意志はなく、フラフラと里の外へあてもなく歩き出す。

こうするしかない
それしか方法がない

何度も何度も繰り返し自分に言い聞かせた。

彼女が見えなくなるまでその後ろ姿を見つめた。

涙がとめどなく流れて止めることができない。

どんなに言い聞かせても、心は叫んでいた。

俺はお前と行きたい、お前を失いたくないと。



そして、マユは木の葉の里を抜けたこと、誰もそれを追ってはならないと火影命令が出された。
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