第11章 呪印と運命
かかしサイド 続き
それから俺はヒルコについて話した。
ヒルコは伝説の3忍と呼ばれる綱手様たちの同期であったが、己の術の開発のため人体実験を行い、その後木の葉の抜け忍となっていること。
そのヒルコにより他里から血継限界の忍び達が相次いでとらわれ、ヒルコの術の完成のために命を落としていること。
俺の左目に写輪眼が託されたのち、ヒルコは俺に目をつけ時限式の呪印を施していたこと。
その呪印がこの数日の間に出現したこと。
「………それでかかしは…どうするつもりだったの?」
「‥‥…」
言えなかった_____
それは俺が背負うはずだった運命。
だからそう決断できたのだ。
だが、呪印はマユに移されてしまった。
俺は勝手ながら、マユがその運命を背負うことは望まない。
数分の沈黙が続いたあと、彼女は俺の頬に手を当て、そらしていた目線をゆっくりと彼女のほうへ振り向かせた。
マユは…切なく笑っていた。
「きっと…1人ですべてを背負って行くつもりだったんだね。私達を守るために」
儚く切ない表情をする彼女を見て俺の視界は、またユラユラとゆがみはじめた。
ねぇお願いだよ。
それ以上言わないで。
俺は聞きたくない。
俺は受け入れられない。
俺は________
「私が行く」
笑って涙をこぼしながらマユは力強く言った______