• テキストサイズ


第11章 呪印と運命


かかしサイド 続き

それから俺はヒルコについて話した。

ヒルコは伝説の3忍と呼ばれる綱手様たちの同期であったが、己の術の開発のため人体実験を行い、その後木の葉の抜け忍となっていること。
そのヒルコにより他里から血継限界の忍び達が相次いでとらわれ、ヒルコの術の完成のために命を落としていること。
俺の左目に写輪眼が託されたのち、ヒルコは俺に目をつけ時限式の呪印を施していたこと。
その呪印がこの数日の間に出現したこと。





「………それでかかしは…どうするつもりだったの?」

「‥‥…」




言えなかった_____

それは俺が背負うはずだった運命。
だからそう決断できたのだ。

だが、呪印はマユに移されてしまった。
俺は勝手ながら、マユがその運命を背負うことは望まない。



数分の沈黙が続いたあと、彼女は俺の頬に手を当て、そらしていた目線をゆっくりと彼女のほうへ振り向かせた。

マユは…切なく笑っていた。



「きっと…1人ですべてを背負って行くつもりだったんだね。私達を守るために」


儚く切ない表情をする彼女を見て俺の視界は、またユラユラとゆがみはじめた。

ねぇお願いだよ。


それ以上言わないで。


俺は聞きたくない。


俺は受け入れられない。


俺は________




「私が行く」



笑って涙をこぼしながらマユは力強く言った______




/ 96ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp