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第10章 身近な死


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ヤマトさんと第7班のメンバーが援護にむかったことを聞いた。私は私でできることをやらないと。

任務はなかったため、一人演習場で修行を行った。

日が暮れてきたか…

暗くなってきたのを確認して口寄せの術をし、私の口寄せ獣を呼び出した。巨大な銀色の蜘蛛が姿を現した。

「マキ」

「マユ様、お久しぶりです。お元気でしたか?」

「マキ、あのね…」

と私はここ最近あったことを話した。

「心中お察しします。マユ様。そこで私を呼び出したということは、精神を鍛えるために私の繭玉にしばらく入りたいということですね?」

「お願いできるかな」

そういうと、マキは巨大な繭玉を私の周りにほどこし、そっと包んだ。マキの繭玉の中はすべてを遮断する。

本来、敵に使用する場合は、その繭玉に閉じ込められるとそのまま窒息するか、マキの打ち込む酸によって死んでしまう。
だが、私のために作ってくれる繭玉は特別性でそういった機能は持ち合わせない。
精神統一を行うにはうってつけの場所でもあり、里内であるため危険はないだろうが何かあっても彼女が知らせてくれる。

繭玉の中で私は精神統一をはかり続けた。
私はこれまで一人だったから、失う痛みはもう過去のものとなっていた。でも今は違う。失いたくないものが山ほどある。強くなれ、心も体も______

__________

数日後、かかしとアスマ班のメンバー、ヤマトさんと7班のメンバー全員が無事に帰還した。

「おかえりかかし!」

そういって抱きしめると

「ただいま」

そう言ってかかしはいつも通り優しく笑ってくれた。


私達みんなは、またそれぞれ前を向いて歩き出した。


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