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第10章 身近な死


数日後の夜____

「マユ、ちょっときて」

そう言われてかかしの傍にすわる。

「おそらく今夜、アスマ班の子たちが自分たちだけで暁の所にいこうとしているんだ」

そう言われて察しがついた。

「かかし、わたしも「マユはここにいて」

私の言いたいこともわかっていたように、かかしは私の言葉をさえぎった。

「今回のことは、綱手様も許可してない。でも、彼らの気持ちを俺はくんでやりたいんだ。もちろん俺自身のためでもある。」

「…私に、何もせずにここで待てっていうの!?相手はアスマさんを倒した暁だよ!?もし、もしかかしまで帰ってこなかっ‥」

そこまで言いかけて言葉につまった。
違う、信じてないわけじゃない。
でも、でもそんなの保証なんてない。
それにかかしがもし、死ぬなんてことがあるなら
私も一緒に…

「マユ」

混乱する自分にかかしは冷静に私の名前を呼んだ。
私は、自分でも気づかないうちに涙を流していた。

「今のマユは冷静にいられない。それがどういうことをもたらすかわかるね?」

胸がズキンとした。

あろうことか、かかしの死をイメージして、だったら自分も一緒に死にたいだなんて思ってしまっていた。
こんな気持ちじゃ、自ら死ににいくようなもんだ。
戦いにでてもあきらかに足手まといになる。
戦地で誰かをかばって戦うのは厳しい。
それが暁ならなおさらだ。
彼はそれをわかってて、私をわざと置いていくのだ。
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