第1章 出会い
かかしサイド 続き
里に帰って綱手様に報告をする。
「綱手様、任務とは別に気になる事がありまして…」
「なんだ?」
「それが、帰りの途中10人ほどの忍びの遺体を見つけまして…すべて綺麗に切り刻まれているという無惨な状態でした」
興味をもったのか、綱手様は筆を止めて俺を見た。
「ほう。何か手がかりはあったのか?」
「その…遺体の現場を見つける前に1人の女性を川で助けたんです。その女の人の臭いがかすかにその現場に残っていて。」
「ふむ…その女が被害にあったのか…もしくは…」
「はっきりと真相はわかりませんが、何かこう気になったもので…」
「‥…かかし、その女どのような女であった?」
「どのような?…そうですね、口数の少ないあまり人と関わったことがなさそうな雰囲気でした。名前はマユといって、銀髪の長い髪に色白で、体には傷もあったので手当を手伝いましたが…」
「…そうか…。とりあえずわかった。今日はさがっていいぞ。」
「はい…」
綱手様はどこか考え事をしながら聞いているように思えた。心当たりがあるのか。
だが、今は確信がないのかもしれない。
また何かあれば言ってくれるだろうと思い、それ以上は聞かなかった。