第8章 金色の太陽の子と私
今日かかしは任務はなかったはずなのに
「あ~疲れた~」
と珍しくもたくさん汚れて帰ってきた。
そしてお風呂にさっさと入って、そのままご飯も食べずに真剣に本を読んでいる。
「かかし?ご飯は?」
「ん~今いい。あとで食べる」
「かかし、もう片付けちゃうよ?」
「ん~、あとで~」
「かかし、あのね今日さ‥‥あれ、聞いてる?」
「ん~…」
「かかしってば!」
「!?」
全然上の空で相手にされないから、バッと緑色の本を奪ってやった。
「もー全然聞いてくれない!もうこれ没収!」
「え~ちょっといいとこだったのに」
「私の話も聞いてよ!あと、ごはんは?!」
「わかった、わかった。ごはん今食べる。だから返して?ね、マユ?」
甘えるように私を見上げる姿に、私のほっぺもだんだん赤くなる。
かかしは私の扱いをよくわかってる。
どうすれば私のご機嫌を取れるのかも、私が何が好きで、嫌いかも。
隠し事なんてできたためしがない。すーぐバレちゃう。
彼はいつだって2つ、3つ先まで読んでいてとっても大人な人。