第7章 共に生きるとは
私は忍びをやめた。
血継限界の持ち主ということは上層部のみ知っていることとし、里内で平穏な日々を送っていた。
しばらくはかかしとお互いの家を行き来していたが、もう一緒にいるほうが早いだろうということで、木の葉に来て半年後には一緒に生活を始めた。
_______
「今回はそこまで難しくない任務だから、特に何もなければ3日で戻るよ」
そういって私の頭にポンと大きくて暖かい手をのせてくれる。
「3日かぁ…それでもやっぱり寂しいなぁ」
ぎゅっと胸にしがみついて彼を見上げる。
「もーそんなかわいいことするなら、余計行けなくなっちゃうじゃない」
と、困ったように笑った。
若干不貞腐れた私をなだめるようにいつもより長いキスをしてくれた。かかしと触れ合うと不思議と不安が消えていく。
「かかしのキスは…なんか…魔法みたい…」
照れ臭く言うわたしにかかしは
「ほんと?俺も今同じこと思ったよ」
って言って、もう一度キスしてくれた。
お互いに同じこと思ってたなんて、以心伝心だね。
こんな単純なことでも、かかしと繋がっているんだと思うとうれしくてたまらなかった。
「気をつけてね。待ってるから」
「あぁ。必ず帰ってくるからね。いってきます」
こうしてかかしをいつも見送る。
思うことはいつも一つ。無事に帰ってきてほしい。
それだけだ。