第5章 木の葉隠れの里
かかしサイド 続き
「なんだかかしぃ~。朝っぱらから見せつけて」
ガラっと開いた病室のドアから綱手様の声が聞こえてきた。あ、まずい…そう思ったのもつかの間、次は
「かかし先生、へんた~い!」
と、さくらの声も聞こえてきた。
「いやこれは…その…」
今一番見られたくない2人に会ってしまった。
固まる俺の胸の中で、涙を拭き終えた後、マユは不思議そうな顔で綱手様たちを見て、そのあと俺を見た。
「心配いらないよ。今から紹介するからね」
そういって、綱手様とさくらを紹介した。
マユは綱手様に深々とお礼を何度もいい、また治療をしてくれたさくらに対しても同様に接していた。
「かかし、あとでちょっと話があるから火影室に来い。」
なんだろうとは思ったが、おそらくマユのことだろう。
「了解です」
そう一言答えて、綱手様とさくらを見送った。
「じゃー…マユ、とりあえず俺もいくよ。綱手様にも呼ばれてるし」
「もう行っちゃうんだ…」
不安そうな顔で俺を見る。
ん…これはやばい…
もう一度グッと抱き寄せて彼女の髪を撫でた。
「また来るから、大人しく寝ててね」
俺の胸の中で気持ちよさそうに目を閉じてマユは頷いた。
こうなると愛しさがこみあげてきてどうも離れがたい…
いやいや、綱手様が呼んでるからと理性を取り戻しゆっくり彼女から離れた。