第5章 木の葉隠れの里
かかしサイド
昨日家に帰ってからも、マユがもう安全であることも、無事であることもわかっていたのにどうしても落ち着かなかった。
結局あまり眠れず、こんな早起きになっていたという始末。顔が見たくてたまらなかった。
俺が最後にみた彼女の顔は、もうぼろぼろに心も体も傷ついていた状態だったから、彼女の笑顔をみて俺自身もあの光景に上書きをしたかったのかもしれない。
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病院の近くに着くと窓にマユの姿が見えた。
もう起きてたのか。
寝顔でもみようと思ってたのに残念…
彼女は朝日に照らされる中、キラキラひかる銀髪をなびかせていた。
泣いているのか…?
すぐに声をかけたかったけど、なんとなくその場でたたずんで見入ってしまっていた。
瞬身でマユのもとにいくと、彼女をだいぶ驚かせたみたいで危ない危ない…倒れるとこだった。
そんな俺に不貞腐れながらも、次の瞬間にはしっかり目を見つめられお礼を言われたと思いきや、次に彼女は泣いていた。
ほんと、忙しい子だね…
彼女のくるくる変わる表情に愛しさを感じ、きれいな涙をこぼす泣き顔から彼女をちゃんと守りたいと強く思った瞬間、自然と自分の胸へと抱き寄せていた。