• テキストサイズ


第1章 出会い


家に着くと、私は彼に構わずすぐにお風呂に向かった。

やっとすっきりできた…そう思って部屋に戻ると、三白眼のその人は窓辺でくつろいで本を読んでいた。
もうとっくに帰ったと思ってたのに。

私が戻ってきたことに気づくとパタンと本を閉じて

「じゃ、手当しますか」

そういってケガの手当を手伝ってくれた。

「あの…ありがとうございます。えーと…その…」

「あー俺?はたけかかしっていうんだけどね」

「かかしさん。私は、マユと言います。改めてありがとうございます。」

「じゃ、マユ。俺はこれで行くから。次は服着て泳ぐのやめなよ」

にっこり笑ってそのままかかしさんは去っていった。

あんまり私は人に関わらないようにしてるから、なんだか少し緊張した。
触れられた手なんかおっきくて暖かかったな。

一人に慣れてるから、こーいうことがあると、どうしても寂しさを感じてしまう。
だから、よけい人に関わりたくないのに。

彼が去っていったドアをいつまでも見つめていた。
/ 96ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp