第5章 木の葉隠れの里
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眼が覚めたら、まぶしい光が自分の傍まで差し込んでいた。
周りを見渡すと、見慣れない場所。
でも病院であることがすぐに分かった。
体中の包帯の後を眺めながらゆっくりと記憶をたどる。
最後にかかしが
「俺がちゃんとお前の帰る場所に連れてかえるから」
そういったのを思いだして、はっとする。
ガタガタと点滴スタンドを引きづりながら窓へと無理やり歩いた。
窓を開けると、朝日に照らされ周りはキラキラとしている。見慣れない周りの風景だが、穏やかな空気がただよっており、自分がいた深い森の中とはくらべものにならない平穏を感じた。
「木の葉隠れの里…」
やっとここにこれたんだ…かかしが連れてきてくれた、私の新しい帰る場所に。
うれしくて涙がこぼれた。