第4章 約束の日
かかしサイド 続き
木の葉へ急いでマユを運んだ。
彼女の生命力は血筋のせいなのかとても強かった。
それでもおそらくあの状態で2日間ほどは横たわっていたのだろう。場合によっては手遅れだったかもしれない。
彼女を失うことに恐怖心を抱いたと同時に、怒りの感情も覚えた。
伝令を先に受け取っていた綱手様が手際よく準備をしてくれており、マユは速やかに集中治療室に入っていった。
綱手様に報告をすませ、病院にもどる。
照らされた集中治療室の灯りをぼんやり見つめながら彼女の無事を祈った。
蘇る記憶は、彼女のボロボロの姿と涙。
心が痛くて苦しい。
きっと大丈夫だという気持ちはあるけど、がらにもなく落ち着かない。
「俺余裕なさすぎ…かっこわる…」
苦笑いがこぼれた。
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パッと灯りが消えたのはもう夜を深く過ぎていた。
さくらがバンっとドアを開けてでてきて
「かかし先生!もう大丈夫ですよ!」
とうれしそうに報告してくれた。
ナルトが修行にでてから、さくらもこうして綱手様の指導のもと医療現場によくはいって実践訓練を積んでいる。
あんな子供で恋愛しか頭になかったさくらも大きくなり、随分頼もしくなったものだと嬉しくおもった。
「さすが、綱手様の弟子だね。さくら。お前も頼もしくなったな。感謝するよ」
「へへ。かかし先生のあの慌てよう、なかなか見れない代物だったからね~」
「え?そんなに?」
「やだ、先生自分で気づいてなかったの?あんないつも冷静な先生がめちゃくちゃ焦ってたじゃない」
「ま…そりゃ…ね」
ニヤニヤと笑う部下に、妙なとことつかれ動揺した。
俺、はたから見てもそんな風だったのか…
「先生、マユさんしばらくは入院だし、あとは任せて先生も一旦家でゆっくりしてください。明日から普通に面会できると思うし。」
「あぁ、じゃそうさせてもらうよ。頼んだぞ、さくら」
「はいっ」
頼もしい部下の背中を見おくり、俺も家路についた。