第3章 任務・再会
かかしサイド
数か月ぶりにマユにあった。
まさか俺がくるとも思ってなかっただろう。
どうやら最初は警戒心もあったようだが、途中からそんなのも微塵に感じないほど穏やかな表情で話し始めた。
よかった、慣れてきたみたい。大丈夫だね。
それにこんな風に笑うのか…と、少しずつ彼女に対して新しい発見をしていく。
波長が合うのか、沈黙があっても嫌なものではなかった。
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と、突然に感じたいくつかの気配。
「マユ、ちょっと待って…」
一度会話をとめ、警戒を更に強める。
彼女も狙われる身だ。
話に夢中になっていたマユは俺よりも気づくのが遅れていたが俺の様子からすぐに察知して、次、彼女を見る瞬間には、凍てついた冷たい眼をして窓の外を見ていた。
それは彼女の忍びとして生きる姿そのものを映していた。
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とりあえず危険はさった。
ふぅっと呼吸をもらすと、張り詰めていた部屋の空気が溶けていく。
彼女を安心させるためにポンと頭に手をのせる。
どうもナルト達の担当上忍をやりだしてから、こうやって安心させる癖がついた。
俺にとってはいつもの癖みたいなもので…と思っていた次の瞬間、マユは涙をためた眼で俺を見上げていた。
涙を人前で流すまいとこらえている様子に、この子がこれまでどんな思いをして生きてきたのかわかるような気がして、切なくなった。
また来ることを約束し、一度目の接触は終わった。