第10章 おはようのキス 番外編(リオルート)
*おはようのキス 番外編* リオルート
コンコン
と軽やかにドアをノックする音がした。
いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
「ロロ、俺だよ。リオだよ。入っていいかな?」
「どうぞ」
ドアを開けて入ってきたのは執事のリオだった。
「今朝の会議、出なかったんだね」
「うん。。ちょっと体調が悪くて。。」
何があったから、とは言えないので曖昧に言葉を濁す。
まさか会議室の隣でジンさんに襲われたから、なんて言えるはずもない。
「ジン様と何かあった?」
「!!!!」
リオは真っ直ぐな瞳で私を見つめてくる。
「やっぱりそうなんだね。。」
「いや、、えっと。。」
「隠さなくてわかるよ。俺が君に近づき過ぎたのが気に食わなかったんだよね。ごめんねロロ」
リオが私のベッドの隣に座る。そして、私の髪の毛をひとすくい掬い上げると、口づけを落としてきた。
「私に近づきすぎたって。。?」
「今朝、君にキスしてたのは俺なの」
こんな風にね。
と言いながらリオの端正な顔が近づいてきて、すっと唇に口づけを落とされる。優しい、触れるようなキスに、私は動けないでいた。
「えっリオ。。?」
「ほら、だからそんな風に固まっちゃってなすがままになっちゃうところが、ダメなんだよロロ」
呆然とする私をリオは軽い力で押し倒して手首を拘束する。
「こういう時、ちゃんと逃げないとダメだと思うんだけど、ロロは逃げないの?」
優しい笑みを浮かべながら不思議そうな顔をしてリオが見つめてくる。
「だって、、リオは私の友達で、、こんなことするなんて思ってなくて。。」
混乱しながらも私は思ってることを口にした。
「ロロは俺を男として見なさすぎ。。」
「ご、ごめん。。」
「ジン様にはまた怒られちゃうかなとは思うけど、鈍感なロロも悪いわけだし」
リオが私に馬乗りになった状態で私を見下ろしてくる。
「俺が普段君に抱いてる思いをわかってもらおうかな」
そう言うとリオは私の服を器用にはだけさせた。
「やっやだっ」
友達だと思っていたリオに、まさかこんな恥ずかしいことをされるとは思っていなかった私は混乱していた。
「ほら、嫌ならもっとちゃんと嫌がって」
「リオ、こわいよ」
「大丈夫、できるだけ優しくする」
できるだけね、と言いながらリオは私の胸に吸い付いてきた。