第3章 雨宿り
ジンさんと二人、警備兵の小屋を出て城へ帰る道、私はまた頭を抱えていた。
ものすごく恥ずかしい目に合わされた。
警備兵の人たちにあられもない姿見せてしまったし、この野獣のようなジンさんに今日もまた色んな体位で喘がされてしまった。
喘ぎながら、好きとか、もっと欲しいとか、うわごとのように言ってしまった。よりによって、ジンさんに!!
チラッとジンさんの顔を見るとジンさんは上機嫌な顔をしている。
と、目が合った。
「ロロ、どうした物欲しそうな目をして」
「してません!」
あわてて言う。
「素直じゃないなロロ。今から小屋に戻って一晩ヤるか?」
「だからそんなこと言ってませんから!!」
「でも今行くと昼間の奴ら戻ってくるからな。お前のあんなよがり狂った姿見せたくないからなぁ」
「ちょっと外で何言ってるんですか!!」
「それとも、あいつらにも参加させてみるか?んー、いや、ダメだ。やっぱお前に挿れていいのは俺だけだな」
この野獣は、勝手なことばかり言ってる。
「あの人たちに触らせたくせに。。」
私は警備兵の人たちに触られた箇所を触れて熱くなっていた。
「あぁ、お前の持ってた本が面白くてつい夢中になってた」
「ほ、本当に?」
この野獣が本とか読むの?訝しげに私はジンさんを見やる。
「俺のこと疑ってるな?おいおい、これでも一応この国の第一王子なんだぞ?」
ジンさんは私を見下ろしながら言う。
スッと立ち精悍な顔つきのジンさんは、確かにこの国の第一王子だ。スラリとした長身に筋肉質な身体。放たれるオーラが強い。
「古今東西すべての教養を叩き込まれ、武術、馬術にも精通。趣味は読書とロロ」
「なんで私が趣味に入ってるんですか」
ふふと鼻で笑いながらジンさんは言葉を続ける。
「まぁあの本は読んだことあるからな、ちょっと懐かしくなってな」
「そうだったんですか!?」
「ああ、城の図書館に全巻揃ってるぞ」
「えっ」
ということは、私が街の本屋で本をせっかく手に入れた今日の1日って。。
「本ぐらい最初からジンさんに相談しないロロが悪いんだからな」
ジンさんは愉快そうに笑うと、
「ま、新たな刺激もあって今日はより乱れたロロを見れたしそれはそれでヨシだな」
と付け足した。
「全然よくないですから!」
私の悲痛な叫びは、夜の闇に溶けて行った。