• テキストサイズ

星降る丘【NARUTO】

第9章 2度目のファーストキス



その後も、先輩の言葉や仕草に翻弄されながらしばらく行くと、さっきの公園が見えてきた。

何気なく見たその先に一つの影があった。
暗がりではっきりとは見えないけど、あれは、ゲンだ。

まだ、ここにいたんだ。

急にキスしようとしたのは許せないけど、ゲンは真っ直ぐに思いを伝えてくれた。
なのにわたしは返事もできていない。
このままうやむやにして、ゲンと気まずくなるのは嫌だ。
思いは返せないけどちゃんと返事をしなきゃ。

「あの、先輩」

「ゲンとこ、行くの?」

先輩には、わたしの考えていることなんてお見通しだった。

「……はい。
ゲンは大事な仲間だから、ちゃんとしたいんです。
話してきてもいいですか?」

しばらく灰色の目でジッと見つめられ、そしておもむろに抱きしめられる。

「やだ……。サクのことが好きな男のとこなんか、行かないで」

甘えるみたいに首筋に顔を埋められる。

「付き合えないってちゃんと言いたいだけですから。
それに、さっきみたいに絶対に、隙とか見せませんっ……!」

必死で言葉を紡いでいると、いきなりチュ、と頬に口付けられる。

「ウソだよ」

「え?」

先輩はそっと抱きしめていた腕を緩めると、わたしを送り出してくれた。

「ここで待ってる。」

「はい。超特急で行ってきます!」

うん、と頷く先輩を残して、わたしはゲンのいる方へ急いで駆けた。
/ 193ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp