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星降る丘【NARUTO】

第8章 決意



あ……れ?わたしどうしたんだっけ……。

身体中が痛い。
まぶたが重い。

どうにかこうにか薄目を開け何度か瞬きを繰り返していると、無機質な真っ白い天井が見えた。
消毒薬の匂いがツンと香る。

ここ、病院……?
体を動かそうとするが、痛みが走り体が硬直する。
人の気配がしてそちらを見ると、カカシ先輩が椅子に座って眠っていた。

カカシ先輩、と声をかけようとしたがうまく声が出ない。
でも先輩の顔を見ていると、急激に記憶の糸が繋がっていく。

そうだ、わたし敵のクナイにやられて……。
我ながら馬鹿なことをしちゃったなぁ。
もっと上手な助け方があっただろうに。
あの時は、カカシ先輩を守りたい一心で、体が勝手に動いてしまった。
意識を失う寸前の、先輩がわたしの名を呼ぶ悲痛な声を思い出す。

心配、かけちゃったな……。

先輩に触れようと手を伸ばすと、ハッと先輩が目を覚ました。

「サク!!」

ホッとした安堵の表情を一瞬浮かべ、しかしすぐに先輩は顔を曇らせた。

「バカ!なんであんな無防備にオレの前に飛び出したんだ!」

怒りを滲ませた目で先輩がわたしを見る。

謝ろうにも声が出なくて焦っていると、先輩が近づき優しくわたしの頭を抱きしめる。

「……っ、無事でよかった……」

聞こえるか、聞こえないかの小さな呟きがわたしの耳に届く。
声がわずかに震えていて、必死に手を伸ばしその背をそっと撫でた。

「っ……」

傷が引っ張られ痛みを感じ、思わず息が漏れる。

すると先輩がパッと離れる。

「ごめん。痛むよな。
……すぐ先生呼んでくるから」

先輩はそう言って部屋を出て行ってしまった。
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