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星降る丘【NARUTO】

第18章 幸せ溢れる日


ベール越しにカカシを見ると、微かに笑みを浮かべてわたしを見つめていた。

なんだか胸がいっぱいだな。
大好きな人たちに囲まれて、幸せすぎて…。
感情が昂ぶってしまっていて、今にも泣いてしまいそうだ。
涙が出ないように、ゆっくりと深呼吸をする。
カカシの前につき、差し出された手を取ると、三代目の手を離してゆっくりと壇上に上がる。

なぜか神父さんに扮したタツマが誓いの言葉をそれらしく言うから、クスクスと小さな笑いが起こる。
わたしたちも顔を見合わせて笑った。

「新郎、はたけカカシ。
あなたは病める時も、健やかなる時も、
富める時も、貧しき時も、
サクを妻として愛し、敬い、
慈しむ事を誓いますか?」

「はい、誓います」

告げられた真っ直ぐな誓いの言葉に胸が熱くなる。

「新婦、猿飛サク。
あなたは病める時も、健やかなる時も、
富める時も、貧しき時も、
カカシを夫として愛し、敬い、
慈しむ事を誓いますか?」

心から、ありったけの誠意を込める。

「はい、誓います」

「では、指輪の交換を」

向かい合って、お互いの指に指輪をはめ合う。
恥ずかしさはいつの間にか無くなっていて、ただただ幸せだった。
タツマの次の言葉が出るまでは。

「では、誓いのキスを」

そうだった。
結婚式と言えば、だよね!?
いきなりの結婚式だし、そこまで考えてなかった!!
みんなが見てる前で…、これはかなり恥ずかしい!!

ベール越しにカカシを見ると、慌てた顔をしているだろうわたしを、可笑しそうに見下ろしている。
顔に下りていたベールをカカシがそっと上げて、目がパチリと合う。

わぁぁぁ!

思わずギュッと目を閉じると、カカシの手がそっと肩に添えられて唇に柔らかいものが触れる。

「えー、直接じゃない!」

誰かの言葉をきっかけになぜかブーイングが起きる。

「口布はずせー!!」

あ、そっか。
いつも通りすぎて気づかなかったけど、カカシは口布をしたままだった。

盛り上がる場内をムッと見回して、「見せ物じゃないんだけど……」と、文句を言いながらもカカシがクイっと口布に手をかける。

「おおっ!!」

みんなキスっていうよりカカシの素顔に興味深々だ。
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