第15章 風見鶏の家
でも急に真面目な顔になって、「あ、でもこれ、広めない方がいいすよね。
ミチとかテンゾウとかはいいかもだけど、任務に支障が出るとか言うやつも出てくるかもだし……」
「うん、そうしてもらえたら助かる。
あ、でもテンゾウだけは知ってんだけどね。
ま、任務の時はオレらも今まで通り変わんないから」
「知ってます」
「ん、ありがと……」
穏やかな顔で視線を交わし合うふたりの信頼関係に、わたしも笑顔になる。
そんなわたしを見ていたタツマが、クシャリとわたしの頭を撫でる。
「サク、よかったな。
うまくいって」
「ありがと」
タツマを見上げて笑い返すと、いつの間にかタツマの背後にいた先輩が、わたしの頭の上にのっていたタツマの手を掴んでわたしの頭からどかす。
「だから、二人近いから」
先輩の分かりやすいヤキモチに、タツマがぷっと吹き出す。
「隊長がそんな風になるなんて、意外っすね」
「うるさいよ」
ムッとしながら先輩が定位置に戻りまた本を読み始める。
その耳が赤くなっているのをわたしもタツマも見逃さなかった。
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