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星降る丘【NARUTO】

第14章 やりたいこと 下


「そんなにオレが好き?」

揶揄うようにイタズラな顔で笑われて、図星に顔が熱くなる。
そんなの当たり前に大好きだし、ずっと一緒にいたいよ。
そのとき、将来のことを考えた時の離れてしまうかもという気持ちが何故か蘇ってしまい、咄嗟に先輩に抱きつく。

「わたしは、こんな風に先輩とずっと一緒にいたいです……」

いつもと違う反応に、心配そうに先輩がわたしの顔を覗き込んだ。

「急にどーしたの?
なんかあった?」

「……」

黙ってしまったわたしの背を、安心させるように先輩が優しくポンポンと叩いてくれる。
小さい子にするようなその仕草に、先輩の体温や匂いにすごく安心して、わたしはポツリ、ポツリと喋りだした。

「この間、三代目から将来の話を聞かれたって話したじゃないですか。
そのことを、ずっと考えてて……」

先輩は探り探りなわたしの話を、相槌を打ちながらただ聞いてくれる。

「任務で出会う、悪い大人に利用される幼い忍たちをいつも助けられたらなぁって思うんです。
もちろん、忍の世界に善悪ハッキリつけるのが難しいってことはわかってるんですけど……。
いつも自分に重ねちゃうんです。
わたしは三代目に拾ってもらえて幸せに暮らしてこれたけど、一歩間違えてたらああなっていたかもしれないって。
でも、わたしにできることが何なのかもわからない。
それに、そんな道があったとしても、先輩と離れ離れになっちゃうかもしれなくて……」

そのとき先輩の両手にふわりと顔を包まれる。

「別の道になったって、離れ離れじゃないでしょ別に。
今だって任務で別々になることはよくあるし、休みを合わせれば何も変わんないよ。
もしサクが別の場所に行っちゃったって、会いに行く」

真剣に見つめて伝えてくれた先輩の言葉が、胸の中に優しく染み込んでいく。
目頭が熱くなって、先輩の肩に頭を預けて抱きついていた手に力を込めると、先輩が髪をすくように優しく頭を撫でてくれる。
優しくされて、心の中にあった不安がポロポロとこぼれ落ちる。

「でも、近くにいないといざと言う時先輩を守れない……」

「オレはサクに守ってもらわないといけないほど弱い男?」

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