第8章 7話
学校関係者専用通路の近くに行くとぽつんと爆豪が立っているのが見えた。
に気付いた爆豪は声を出すなと小声で言い、の口を手で塞いだ。
足を気遣ってか爆豪に寄りかからせるようにしてを立たせてくれている。
『?』
爆豪の視線の先を見ると探していた焦凍と緑谷がなにやら話しているのが見えた。
焦凍は自分に左を使わせた緑谷が何者なのか気になるらしい。
『(にしても隠し子って・・・
やっぱ天然なとこあるよね)』
相変わらず斜め上の発言をする焦凍に笑いそうになったが、殺されそうなほどするどい目つきで爆豪に睨まれたので黙っておいた。
それから焦凍は緑谷に自分の生い立ち、左を使わない理由など抱えてきたものを話した。
焦「言えねえなら別にいい
おまえがオールマイトの何であろうと俺は右だけでおまえの上に行く
時間取らせたな」
言いたいことは言ったと焦凍はその場を立ち去る。
爆豪は話の内容があまりにも壮絶だったのか、呆然としている。
口を押えられている手をぱしぱしと叩くと、はっとしたように離してくれた。
『(ま、この子なら自分なりに考えるでしょうし・・・)』
爆豪の頭をぽんぽんと撫でては焦凍と緑谷を追いかけた。