第6章 5話
今更ながらちゃんと武装してこなかったことを悔やんだ。
棒をぎゅっと握りしめ自分にできる事をするため靴を脱ぎ捨てた。
『(あの手が兄さんに触れただけで兄さんの肘が崩れた
それだけに注意してれば大丈夫)』
ぐっと踏み出して死柄木に武器を振り下ろす。
一撃目は避けられたが二撃目は腹に直撃する。
死「だから、ヒーローでも生徒でもない君は何者なのさ」
『私はプロヒーローイレイザーヘッドの妹
オールマイトを殺すと言うのであればまず私が相手になります』
死「(なんだこいつ・・・
さっきと動きが違う?)」
手に気を付けながら攻撃を入れていくが今一つ決定打にならない。
『動きにくいっての!!』
びりびりと穿いていたストッキングを破り捨て、死柄木に向かっていく。
死「(まただ・・・
またスピードが上がった)」
最初は避けられていた攻撃もだんだん当たる様になってきたため、死柄木は疑問に思う。
死「(個性か?
いや、こんな個性聞いたことないぞ)」
反撃しようとしても速すぎて死柄木の攻撃は当たらない。
黒「死柄木弔」
計画になかったの登場にいらいらし始めた死柄木の近くに黒い靄が現れる。
死「黒霧
13号はやったのか」
黒「行動不能にはできたものの散らし損ねた生徒がおりまして・・・一名逃げられました」
死「は?」
『(13号先生が行動不能?
みんなはどうなったんだろう)』
黒霧の報告にいらいらし始めた死柄木はがりがりと首をかきむしる。
『(!?
あんなところに緑谷君と蛙吹さんと峰田君がいる
てことは散らし損ねたっていうのはあいつがみんなをばらばらにしたってことか)』
ぶつぶつと言っている死柄木の後ろを見ると隠れる様に水につかりながらこちらを見ている三人がいた。
緑谷たちはが気づいた事に気づいていない。