第2章 1話
15分ほど病院から歩いて話をしているとそれまでオールマイトの話でテンションの高かった焦凍のテンションが急に落ちた。
足取りも重く1歩1歩が小さくなっていく。
無理やり歩かせるわけにも行かないので手は繋いだまましゃがみ目線を合わせる。
『どうしたの?
大丈夫?』
焦「・・・・・僕、家に帰りたくない・・・」
若干震えている焦凍の手をぎゅっと握り、頭を優しく撫でてやる。
『そっか・・・
そのお家に帰りたくない理由は私が聞いても大丈夫かな?』
あくまでも焦凍の判断に任せる。
言いたくないのであれば言いたくないでそのあとに考える。
焦「・・・・・お父さんが・・・僕はオールマイトを超える存在だって・・・
毎日、稽古をつけるんだ・・・」
握っている左手に少し力が入る。
焦「嫌だって・・・嫌だって言ってるのに・・・
む、無理やり・・・」
ぐっと涙と体の震えを抑えながらとぎれとぎれではあるが家に帰りたくない理由を告げる。
『(なるほど・・・
まぁ教育方針なんか家によって様々だから一概には何とも言えないけどこの子のおびえ方が尋常じゃないね・・・)』
はどうしたもんかと考える。
やはり教育者であり、ヒーローである兄に聞いてみるのがいいだろうか。
虐待であれば問題である。