第5章 4話
取り敢えず電車には乗れたがぎゅうぎゅう詰めで人と人との隙間がほとんどない状態だ。
焦「大丈夫か?」
『う、ん///』
は焦凍にスペースをつくってもらい端っこにいる。
しかしスペースをつくってもらっていると言っても焦凍との距離は近いうえに焦凍の手はまだの腰。
抱きしめられながら乗っているようなものだ。
顔を上げればすぐ近くに焦凍の顔があるのでは顔を上げられず、ずっと下を向いている。
『(いつもすぐ着くのになんで今日はこんなに長いのよ・・・!)』
信号待ちなどで何度か停車しているためなかなか前に進まない。
それがものすごくもどかしく感じた。
『し、死ぬかと思った・・・!(いろんな意味で)』
いつもの乗車時間の三倍ほど時間がかかったため結局いつもと同じような時間に学校についた。
電車の中で止まっている間、手や腰を触ってくる焦凍を止め、動いている間は強く抱きしめてくる焦凍に離れるように力を使ったためはだいぶ疲れている。
焦「たまには一緒に来るのもいいもんだな」
機嫌のよさそうな焦凍は満員電車に乗ったというのに元気だった。
校門につけばなぜか人だかりができていた。
『なんだろあれ』
焦「さぁな
めんどくさいから裏門から行こう」
ぐい、と腕を引っ張られ人のいない裏門から校内に入った。
『みんな朝からすごい体力だね』
焦「まさかまたあのゼリー飲料ばっか飲んでるんじゃないだろうな」
低くなった焦凍の声にびくっと体を揺らしたはあはははと作り笑顔を向ける。
焦「ちゃんと食べろと言ったはずだ
腹に肉がつかないだろう」
『な、なんでお腹のお肉が関係あるのよ!///』
焦「俺の好みの問題だ」
なんだそりゃ!と思いながらもあまり口論していると遅刻するので、逃げるように職員室に向かった。
そのあとすぐに今日の昼食は一緒にどこかで食べようとメールが届いていた。
食堂は混むので屋上に続く階段で待ち合わせになった。