第3章 2話
一方、急いで風呂場に駆け込んだはシャワーを浴びながらうずくまっていた。
『(あんなの反則じゃない!?
なんでこのくそ寒いのに上着着ないのよ!!)』
先ほどの焦凍の姿を思い出し若干言葉づかいがいつもより悪くなりながら悶えている。
中学生とは思えない鍛えられた体に、水が滴っていた髪。
『(これだからイケメンは!!これだからイケメンは!!!!)』
やり場のない恥ずかしさと怒りをぶつける先が見つからずもやもやしたまま髪を洗い始めた。
風呂から上がり髪を乾かした後部屋に戻ると、焦凍はぼーっと映っている番組を見ていた。
上着をちゃんと着ていることにほっとするが、髪がまだ湿っていることに気付く。
『髪ちゃんと乾かさないと風邪ひくよ』
焦「ん、」
じゃあやってくれと言わんばかりに肩にかけていたタオルを渡してくる。
しょうがないなぁとタオルを受け取ったは脱衣所からドライヤーを持ってくる。
『ほら、焦凍君
こっち来て』
焦「ん」
素直にの前に来た焦凍はおそらく眠いのだろう。
言葉数がいつもより少なくなっている。
『(イケメンで髪の毛何もしないでもさらさらとか・・・)』
指通りのいい髪に世の中は不公平だなと思ってしまう。
『熱くない?大丈夫?』
焦「ん」
『(さっきから”ん”しか言ってない)』
せっかくの年末だというのにカウントダウンや除夜の鐘を聞いたりはしないのかと聞いてみたが、返事は”ん”しか返ってこなかった。
『(こういうところだけ子どもみたい)』
さっきまでの強気なところや、色気はどこに消えたのか今はかわいいとしか思えない。