第3章 2話
お風呂に行くかどうかを聞けば入ると返ってきたので、じゃあ先にどうぞと案内する。
お泊りセット(ジャージ、下着、歯磨きセットなど)を完璧に用意してきている焦凍にもしがダメだと言ったらどうするつもりだったのだろうかと思う。
バスタオルや石鹸などは好きに使って良いと伝えるとわかったと頷いた。
『じゃあごゆっくり』
脱衣所の扉を閉めては部屋に戻る。
『(さてと、焦凍君がお風呂に行っている間に布団でも敷こうかな)』
机を隅にやり押入れから布団一式を取り出す。
『(泊まるってわかってたら干したり洗濯したりしたのに・・・
変な匂いとかしないよね?)』
念のため匂ってみるが自分の匂いなのでよくわからない。
最終的には急に泊まると言った焦凍が悪いので苦情は受け付けないことにした。
『(枕もひとつしかないし・・・
まさか枕まで持ってきてるわけないよね?)』
大量に持ってきていた荷物から驚かされるものしか出てこないので、もしや枕も持ってきているのではと思ってしまう。
取り敢えずないものはしょうがないといつも通り布団を準備した。
『(明日までいるんだったら朝ごはんとか食べるのかな
何か・・・ってゼリー飲料しかないよね)』
明日の焦凍用の朝ごはんになるものは何かないかと冷蔵庫を開けると中にはゼリー飲料と少しの調味料しか入っていなかった。
『(何か買ってくるか
年末だしコンビニしか開いてないだろうけど何もないよりましだよね)』
徒歩で行けるところにコンビニがあるので、焦凍がお風呂に入っている間に買いに行こうと財布と携帯、鍵を持って外に出た。
携帯のメールで焦凍にコンビニに行く旨を送り、白い息を吐きながらコンビニに向かった。