第3章 2話
正面から抱きしめられていたため体勢が辛くなってきたタイミングで、軽く焦凍の肩を押すと簡単に離してくれた。
焦「いきなり悪ぃ
けど入学する前に言いたかった」
『ううん、ありがとう
その気持ちが嬉しいよ』
焦凍の気持ちは嬉しい。
正直どんどん大人に近づいていく焦凍にどきどきしていたし、かっこよく性格も優しい。
自分にはもったいない人だと思っている。
それでもまだ焦凍は今年中学を卒業する中学生。
安易に返事はできない。
焦「しばらく彼氏をつくるのは待っててくれ」
『うん、わかった』
焦凍が来てからすでに4時間。
いつもなら19時に解散しているが現在は22時。
さすがにそろそろ帰った方がいいのではと思ったので、焦凍に何時ごろ帰る予定をしているのか聞くと”明日”と返ってきた。
『え?
あ、明日!?』
焦「泊まるって言ってなかったか?」
『き、聞いてないよ!!』
焦「そうだったか
悪い」
全くわびれる様子のない声音で悪いと言っているが、先ほど告白してきて気まずいのではないとかはないのだろうかと思う。
『お客さん用の布団なんかないよ?』
焦「一緒の布団で構わねぇ」
『お家の人には今日帰らないってことは・・・』
焦「伝えてある」
『貸せる服もないし・・・』
焦「全部持ってきた」
何を言っても返してくる焦凍に泊まると言わなかったのはわざとだろうと思ってしまう。
焦「心配しなくても何もしねぇよ
付き合ってからにする」
『だ、誰もそんな心配してない!!///
(最近の中学生はみんなこんな感じなのかな・・・)』
マセガキめー、と思いながら開き直ったは風呂に行く準備をする。