第3章 2話
焦「・・・前にさ、俺に彼女つくらねぇのか聞いてきたことあったよな」
ようやくが少しだけ恥ずかしい体勢に慣れてきたころ、少しを抱きしめる手を強めた焦凍が言いにくそうに口を開いた。
『うん、あったね』
焦「あの時はさ、俺そういうのよくわかんねぇって言ったと思うけど・・・」
『うん』
珍しく言いにくそうにしている焦凍の次の言葉を待つ。
焦「なんていうか、その、
大事に、っていうか好きな奴が・・・できたっていうか・・・」
『え・・・』
焦凍の言葉に驚きは思わず振り返る。
顔をみれば真剣な話をしていると伝わってきたため、嘘は言っていないだろう。
『じゃあこんなことしたらだめじゃない!!
その子のとこに行かないと・・・わっ、』
想い人がいるのであればこんな恋人にするようなことをしてはいけないと、足の間から抜けようとしただが、完全に立ち上がる前に焦凍に腕を引っ張られ今度は正面から抱きしめられる。
『焦凍君?』
焦「わかってる
からしたら俺は子どもで、年下で、恋愛対象じゃないってことも」
痛いほど強く抱きしめられているため焦凍の顔が見えない。
焦「でも俺は、
が好きだ」
まさかの告白には驚きで目を見開く。
焦「今は返事はいらねぇ
雄英で学んでを守れるようなヒーローになるから待っててほしい」
『焦凍君・・・』
焦「無茶苦茶な事を言っているのはわかってる
けど俺がヒーローになる前にを他の奴にとられたくねぇんだ」
真剣なのは伝わった。
中学生といえど簡単にあしらっていい内容ではない。
ただ、
『(つらい時期に私が近くにいたから錯覚しているのかもしれないし、まだ私の個性を打ち明けてない
個性の話をすればその気持ちが嘘だって思うかもしれない)』
焦「ちゃんと守れるように強くなるから
あいつも越えて見せるから
必ずに俺のことを好きになってもらえるように努力する」
『・・・わかった、待ってるね
(雄英に入学したらいつか私の個性を知るはずその時焦凍君がどう思うか・・・)』