第15章 14話
校「君の強い心が爆豪君を敵陣の中でも勇気づけ、敵に襲われた時も生徒たちの心の支えになり、最後にはオールマイトをも奮い立たせた
そこまでした君が何もできなかっただなんで言う人はいないよ
大丈夫
先生は立派なヒーローだったよ」
校長の言葉に声を押し殺して泣く姿は、オールマイトと共にオール・フォー・ワンに立ち向かった人物と同じには見えなかった。
個性がヒーローに向いてないから諦めた夢。
それでも失いたくないものがあるからと鍛えた身体。
どんなに鍛えても勝ちたい人に勝てないからと自信を持てなかったにヒーローだったと校長に言ってもらえた。
これほど嬉しい事はない。
本当は怖かった。
鍛えた身体でも歯が立たないと思わせる圧倒的な個性。
けれど自分に出来る事は何かを考えたときに、出来る事は冷静さを欠いたオールマイトを落ち着かせることだった。
相「お前は自慢の妹だ
ちゃんと自分でも自信をもて
うおっ」
校長と交代するかのように傍に来て頭を撫でてくれた相澤に抱きつき、怖かったと今度は声を出して泣く。
相澤と校長は目を合わせて頷き合い、校長はそっと病室を出て行った。
相「もう大丈夫だからな」
『うんっ・・・うんっ・・・』
ぽんぽんと背中をゆっくり叩いてくれる優しさにさらに涙が止まらなくなるが、相澤の匂いに帰ってきたと実感がわく。
『兄さん・・・兄さん・・・』
相「ここにいてやるから
思いっきり泣いとけ」
オ「酷な事をしましたね・・・」
校「いくら強いとはいえ先生はまだ若い上に女性
圧倒的な恐怖にも、敵にも、オールマイトにすら立ち向かう素晴らしい精神力の持ち主ではあるが、か弱い部分もある
けれどそれを乗り越えてあの子はこれからもっと強くなるさ」
グ「どっかのバカ後継者にも見習ってほしいもんだ」
塚「それより怖いのはこれからですね」
校「そうだね・・・
あまり望ましくないことになるだろう・・・」