第3章 2話
そして年末の12/31。
今年分の仕事を全て片づけたは来てくれるという焦凍を家で待っている。
夕飯時に来るというので18時頃には来るはず。
『(てかなんで私と二人なんだろう
中学の友達とかと最後に過ごす年末年始なんだからみんなで遊べばいいのに)』
年末の大掃除なども済んでしまい、やることのないはぼけーっと焦凍が来るのを待っている。
蕎麦も焦凍が作ってくれるというので夕飯の準備もする必要はない。
年末によくやっている特番を見ながら待っていると、インターホンが鳴った。
カメラで確認すると言われた通り髪の毛を隠すためにパーカーの帽子をかぶった焦凍が映っていた。
急いで扉を開けると両手にいっぱい荷物を持った焦凍が立っていた。
『え、荷物多すぎない?』
焦「そうか?」
お邪魔しますと言い、玄関にどさどさと持ってきた荷物を置く。
『まぁいいけどさ
蕎麦つくる?』
焦「ああ」
着てきたジャケットを預かりハンガーにかけてやる。
焦「おお、和室」
『なんか和室の方が落ち着くんだよね
ベッドよりも布団の方が好きだし』
焦「わかる」
きょろきょろとの部屋の中を一通り見渡し、台所借りていいかと言われどーぞと返せば大荷物の中から蕎麦を取りだし調理を始めた。
焦凍が蕎麦好きなのは知っていたため邪魔をしない様に部屋でテレビを見て待っていることにした。
数分後、完成したと焦凍が言うので机の上をきれいにし、盛り付けなどは手伝えるかなと台所に行くとまさかの蕎麦ざるやつゆ、のり、わさびまで持ってきていた。
『す、すごいこだわり
(そりゃ荷物も多くなるわ・・・)』
焦「そうか?普通だろ」
普通ではないと思ったが、それほど蕎麦が好きなのだろうと気にしないことにした。
『冷たいお蕎麦が好きなんだね』
焦「ああ
年越し蕎麦は温かいのがいいかとも思ったんだが、この蕎麦は冷たい方が美味しいからな」
『そう』
焦凍がおすすめするだけあって蕎麦は確かにおいしかった。