第3章 2話
『え、クリスマス?』
焦「ああ、なんか予定あるか?」
あの一件から焦凍は時間があればよく電話をしてくるようになった。
今も焦凍が寝る前に電話をしてきている。
内容はクリスマスに少しでもいいから会うことは出来るかということだった。
『一応仕事はあるね
年末年始休むためにみんな必死になって仕事片づけるから・・・』
焦「そうか・・・」
さすがに年末年始は教師達も休めるようにと公休にしてくれてはいるのだが、それはあくまでも自分の仕事が終わればの話。
ヒーロー業と兼任しているためなかなか一日中休むことはできないかもしれないが、それでも教師の仕事がないのとあるのとでは気分が違うため教師陣は必死に仕事を片付けるのだ。
『ごめんね』
焦「いや、仕事は仕方ねぇよ
じゃあ年末年始は空いてんのか?」
『まぁこれといって予定はないね』
焦「それなら年末年始会おう」
『別にいいけど、お家で親戚での集まりとかないの?
轟家ならありそうだけど』
焦「そういうのは基本的にあいつに媚び売りにくるやつばっかだからどうでもいい
いい蕎麦があるからそれで年越し蕎麦食べよう
持っていく」
『え、じゃあ家に来るってこと?』
焦「だめなのか?」
ダメなことはないが中学生を家に招いてもいいものなのだろうか。
しかも来年職場の生徒になる子だ。
『いいけど・・・
私と焦凍君の二人だよね?』
焦「問題あるか?」
複数人であればまだ何かあった時に言い逃れできるかと思ったが、焦凍は当然のように二人きりだと思っている。
『じゃあ当日来るときは一応髪の毛だけ隠してきて』
焦「?わかった」
自分の容姿が目立つものと認識していない焦凍は不思議に思いながらも、電話越しにうなずいた。
もう遅い時間の為、年末年始のことはまた後日に話そうとなりおやすみと言って電話を切った。