第14章 13話
『兄さん・・・』
鉄「許可・・・出ましたよ・・・
これで足手まといじゃないっすよね?」
『・・・・わかった
一緒に行こう』
拳「待ってください
ここは私たちを信じて他の奴らを助けに行ってやってくれませんか?」
『・・・・・』
拳「私と鉄哲でこの煙の奴を何とかします
先生は他にも敵がいるはずだからそっちを・・・」
『それ、普通逆じゃない?』
拳「え」
『確実に敵がいるところにあなたたちが行って、いないかもしれない方に私が行くの?』
拳「そ、それは・・・」
矛盾している内容にじっと拳藤を見つめれば、きょろきょろと視線を泳がせている。
『・・・・まぁ、さっき鉄哲君が言ったみたいに仲間を傷つけた相手を倒したい気持ちはわかる
でもね、さっきイレイザーヘッドが戦闘を許可したのはみんなが逃げられるようにするため
それはわかるよね?』
「「はい・・・」」
しゅん、となっている二人にため息をつくと仕方ないかと呟いた。
『信じていいんだよね』
拳「え」
『自惚れでも過信でもなく私はあなたたちより強い
その私に別のところに行けって言うのなら必ずこのガスの相手を倒してくれるって、信じてもいいってことだよね?』
真剣な顔で問われ、鉄哲と拳藤はお互いに顔を見合わせて頷いた。
「「もちろん!!」」
『わかった
じゃあ任せたよ
無理だと思ったら逃げる事
それだけは約束して』
鉄「はいっす!!」
『じゃあ私は行くね
二人とも頼んだ』
戦闘音がする方に向かっては足を向けて走って行ってしまった。
拳「・・・行くよ」
鉄「ああ!必ず期待に応えて見せる!!」