第14章 13話
の部屋は鍵がついている扉が一枚あるのがほかの部屋とは違うだけで内装は一緒だ。
部屋の中には一組布団がちょこんと敷いてあるだけ。
『ほんとにいいよ?
焦凍君だって疲れてるんだし』
焦「マッサージぐらいで疲れは増えねぇ
横になってくれ」
マッサージをしないと満足しそうになかったので、自分の手を枕代わりにして布団の上にうつ伏せになる。
の腰あたりを跨ぐようにして肩に手を添える。
焦「痛かったら言ってくれ」
『はーい』
あとは寝るだけだったのでキャミソールに短パンを着ているため、直に手が肩に当たるのが少し恥ずかしかったが、絶妙な力加減で押してくれるのでしばらくすると気にならなくなった。
焦「大丈夫か?」
『うん、気持ちいいよ・・・』
うとうとし始めているは気を抜けば寝落ちしてしまいそうだった。
焦「・・・・・しばらくゆっくり話もできなかったな」
『そうだね・・・』
焦「あいつと戦ってくれて、勝ったわけだしけじめってのはついただろ」
『うん』
焦「・・・今の気持ちはどうなんだ?」
焦らせるつもりはない。
だが、爆豪も気持ちをに言ったとなれば今後も増えてくる可能性はある。
焦らせるつもりはないが、少し焦っているのは確かだった。
『・・・焦凍君のことは昔と変わらず好き
その好きが変わってきてるのも事実
けどね、どうしても私は私に自信が持てない』
焦「どういうことだ?」
『焦凍君はかっこいいし、強いし、若い
これからいろんな人に出会って、学んで、成長していく
その中でもしかしたらもっと好きな人ができるかもしれない
私を好きって言ってくれてるのも昔から傍にいたからかもしれない
だからね・・・』
そこまで言って言葉を区切ったのは、焦凍がの体を仰向けにしたからだ。
の視界には天井と少し不機嫌な顔の焦凍。
どうして不機嫌なのかと頬に手を伸ばせばそれを握りしめてくる。
焦「どうすれば信じてもらえる
もちろん大事な人は増えた
けど、自分から大事にしたいって・・・好きだって思うのは今だってだけだ」
『焦凍君・・・』
焦「好きなんだ・・・
俺のこの気持ちだけは疑わないでほしい・・・」
『うん、ごめんね』