第14章 13話
自室に向かってぺたぺたと歩いていると、急にがらっと女子部屋の襖が開いた。
芦「あ、先生」
『今から補習?』
勉強道具一式を持っている芦戸は先ほど慌てて出て行った物間たちと同じく補習組だ。
芦「そうなんですよー
補習やだー」
うえーんと泣き真似をしながら抱きついてくる芦戸の頭をよしよしと撫でてやる。
芦「あ、そうだ
先生ちょっとちょっと」
『?』
芦戸に手招きされ女子部屋の中に入ると、そこにはなぜかA組とB組の女子全員が集まっていた。
芦「今女子会中で恋バナしてたんですけど全然きゅんきゅんしなかったんですよね」
『へぇ・・・』
この時点ではものすごく嫌な予感がした。
芦「だから先生のきゅんきゅんする恋バナしゃべっていってください!!
みんなにあとからそれ聞くんで!!」
じゃ、と元気よく走り去っていく芦戸に拒否もできなかったはため息をつく。
『えと・・・みんなで楽しくお話してて
私はお風呂に・・・』
ぐるっと踵を返して出て行こうとすると、目をきらきらさせた麗日と八百万にスカートの裾を握られて止められた。
麗「聞かせてくださいよぉー」
八「芦戸さんにお伝えする義務がありますのでぜひ!!」
『うっ・・・』
かわいいA組女子のお願いにはしぶしぶながらも腰をおろすことになった。