第14章 13話
現在15時過ぎ。
あれから基本的に筋トレ勝負で負けた方が先に最初の突きをやり、そのあと勝った方が同じ回数受けるというのを繰り返した。
もう動けないとばかりに息も絶え絶えな二人は仰向けに寝転がっている。
『もうそろそろ終わりだと思うんだけど、痛いとことかない?大丈夫?』
切り傷だらけな二人に念のため深く切ってしまったりしたところがないか確認すると、死にそうな声で大丈夫と返ってきた。
『(あとで消毒液と絆創膏持っていこう・・・)』
切「やっぱすげーっす!先生」
『ん?』
少し回復した切島が嬉しそうに起き上って胡坐をかく。
切「こんな強い人に特訓してもらえるなんてラッキーっすよ
なぁ鉄哲」
鉄「ああ
正直最初は侮ってたけどな
すいませんでした」
鉄哲も起き上ってわざわざ頭を下げてくる。
『いやいや、わざわざ謝ってもらうほどのことじゃないよ
それに私・・・あんなに腕立てとかしてもらってたけど私が出来ないんだよね』
ははは、と笑うに切島は大丈夫っすと励ます。
切「先生がすげーのは筋力じゃない
どんな敵を前にしても倒れないこと、努力を怠らないとこ、自分に厳しくいられるとこっす
俺はそんな先生を尊敬してますから」
ぐっと拳に力を入れて力説してくれる切島には照れくさくなり、顔が赤くなる。
『あ、ありがと・・・///』
鉄「というかなんでこんなに強いのにプロヒーローじゃないんですか?」
切「それは先生にもいろいろあんだよ」
大体の事情は1-Aであれば全員知っている。
切島の気遣いにやっぱりこの子はいいヒーローになると確信できた。
男気溢れ、気遣い上手、向上心があり、友を大切にする。
そんな切島は憧れのヒーローに確実に近づいている。